理事長の〝ちゃべちゃべ〟 日記  〜その2〜

元ちゃんハウス日記
守られて、自分のための時間を過ごす

メールマガジンも2周目になりました。お陰様で沢山の方に見て頂いております。「読みました!いい試みだから是非続けてね!」というお声を頂きとてもうれしく思います。あっという間に1週間が過ぎて締め切りに追われることもありますが、読んでくださる方に感謝しつつ、続けて行きたいと思っています。

5月になりました。
5月は私と娘の誕生月で、ゴールデンウイークもあるし、若葉薫る季節が大好きでした。しかし6年前からは哀しいけれど、大切な日が増えてしまい複雑な5月になりました。31日は前理事長である、夫の命日です。私の誕生日が29日なので「もしかして私の誕生日が命日になる?」と心配しました。でもその日はメンバーがケーキを用意してくれて「誰の誕生日かわかる?」と聞いたら私を指さしてくれました。その2日後にみんながもう消灯だから帰ろうとしたらストスト・・・と息を引き取りました。

その日は担当の看護師さんが夜勤で主治医も当直、病棟の師長さんも病院当直で、(そうしてくれたのかもしれませんが・・・)日勤の看護師さんも残っていてくれて、子供もメンバーのみんなもいてくれました。この時に逝きたかったんだなと納得できました。人の死を見せて逝きました。最後までたくさんの事を伝えたかったんだと、夫らしいなと思いました。納得して看送ることが出来たことは私にとって大きなグリーフケアになっています。

西村詠子西村元一
文末の説明をご覧ください。

今年は7回忌です。
短いような・・でもたくさんの事があったのも事実です。2015年の3月に進行胃がんが見つかり、私たち夫婦は突然がんとむきあわざるを得なくなりました。根治は無理と自覚しつつ、限られた時間の中で何を諦め何をするか、できない事が多い中で、何ならできるか、いつ途切れるかわからない不確かさの中でどうするか・・、夫と私は「しゃあない(仕方ない)」の言葉ばかりでした。他の言葉は無かったです。でもその言葉の続きには「でも、頑張ろう!やってみよう!やりたい!」と元ちゃんハウスを作り、仲間に託し、医師として患者としてたくさんのメッセージを残しました。

西村詠子西村元一2
文末の説明をご覧ください。

夫は58才で亡くなりました。私はとうにその年を越しました。私の中には年を取らない夫がいます。その時から時間が止まったままの夫がいます。そんな夫に文句を言ったり、お願いしたり、相談したりしています。命日は夫に問う日です。「元ちゃんハウスはあなたが作りかった居場所になっていますか? がん患者さんや家族の為の活動がちゃんと出来ていますか? 応援してくれる方にちゃんと応えられていますか?」答えは返ってきませんが、「まあまあなんじゃない?」と言ってもらえるかなあと勝手に思っています。お陰様で仲間と一緒に楽しく活動しています。人生で一番自分だけの為の時間を過ごしています。夫に守られての今があります。

2枚の写真はがんとわかって直ぐに東京から駆けつけて話を聞いてくれた医療ジャーナリストの村上紀美子さんが撮ってくれました。講演等でもよく使っていますが、その事も喜んでくれました。そんな私達夫婦にとって大切な方が先日亡くなりました。ますます大切な写真となりました。

(2023年5月4日)

元ちゃんハウス西村詠子理事長

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子

コメント

  1. 小野 洋子 より:

    詠子さんがお父さん(元一先生)に守られて「人生で一番自分だけの為の時間」を過ごされていると読んで、ジーンときました。ステキな笑顔の写真だなぁと思っていたら、紀美子さん撮影でしたか❗️
    お2人、あちらでどんな話をしているのでしょう…涙目で想いを馳せました。

    風薫る5月は、詠子さんとの旅友達✈️がスタートした記念の月です♪

    • 西村詠子 より:

      小野さん ありがとうございます。また、元ちゃんハウスにもお越しくださいませ。