冷たい雨が降り、朝から波浪警報が出ている一日となりましたが、真っ白な空間のギャラリーケアリングでの山本基さんの個展はいよいよ最終日を迎えました。あいにくのお天気にもかかわらず、この日も途切れることなく多くの方が足を運んでくださいました。
展示終了後には、会場に集まってくださった皆さんとともに塩の作品をそっと崩し、その塩を少しずつ持ち帰り、後日それぞれの場所から海へ還していただく「海に還るプロジェクト」を行いました。静かであたたかな時間が、会場に流れていました。
今日で本当に最後なのだと思うと、やはり寂しさが込み上げてきます。山本基さんが、元ちゃんハウスのこと、そしてここに集う患者さんたちのことを想い、本当にお忙しい中で開いてくださった作品展でした。心より感謝申し上げます。この真っ白なギャラリーケアリングの空間で、基さんの作品に囲まれて過ごした時間は、これまでの活動へのご褒美であり、これからに向けた大切なパワーチャージの時間でもありました。たくさんの出会いがあり、さまざまなお話をお聞きしました。その時々の気持ちによって作品から受け取るものも変わるように感じました。
塩の作品は、やがて海へと還ります。みんなで作品を壊し、塩を分け合うことに、少しもったいなさを感じながらも、刹那的で儚いからこそ生まれる価値や、再生や出発、輪廻への願いを強く感じました。ご自身の闘病の年月に重ねる方、明日からの治療への力を願う方、基さんの作品が大好きな方、元ちゃんハウスを応援してくださる方——山本さんと一緒に作業をすることで、作品はより身近な存在となり、それぞれの心の中に静かに残っていったように思います。山本基さん、ご来場いただきましたみなさま、ありがとうございました。













