その方は元ちゃんハウスの事は前から知っていた・・とちょっと切羽詰まった感じで来られました。椅子に座ってすぐに「実は…」と話されました。大切なご家族ががんの進行により治療ができず痛みもあると。そして「先生にどうなっているか聞いてもいいかな?」という事でした。コロナのせいなのか、患者さんお一人で受診されていてその方は主治医となかなかお話で来ていないようでした。今の深刻な状況に対して、一体何が起きていてどうしたらいいか・・この先どうなるか・・大きな戸惑いがありました。「聞いていけない事なんてないはず。わかるまで聞けばいい、先生がだめなら看護師さんや相談員の方でも!」とありきたりですが、お伝えしました。そして「一人で抱え込まないでくださいね。」と言葉をおかけしたらその方はグッと言葉を無くし涙ぐみました。どんなに思い詰めていらっしゃるのでしょう。こちらも哀しくなりました。患者さんを中心にご家族、医師、看護師、そして私達も!みんないるという事をお伝えしました。このように医師に言えずに一人で背負ってしまうことは多いです。なんでみんな医師にそこまで気を遣わなければならないのでしょうか?私達はそっと背中を押してあげたいと思いました。
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