この原稿を書いていた10月6日夜、中秋の名月がきれいだわ~と眺めていたところに
「ノーベル生理学・医学賞に日本の坂口志文先生受賞決定!」というビッグニュースが飛び込んできました。これまでだったらひとりの日本人として喜んでいましたが、今回は一味違う感慨があります。
というのも、日本のがんの三大学会のひとつ「日本癌学会学術総会」が、つい先日9月25日~27日に56年ぶりに金沢で開催されたのです。

今回、その中に「患者枠」として設けられた**サバイバー・サイエンス・プログラム(SSP)**があり、しかも日本でのSSPが10周年を迎える節目の年という貴重な機会に参加することができました。
(*目的:がん患者や家族を支援する団体運営者または個人が、日本癌学会学術総会への参加を通じてがん研究に理解を深めることで、がん研究に対してがん患者や家族の立場から参画する「リサーチ・アドボケート」が養成されること) むっず!
当初は、学会前日に金沢城公園内を巡る「Run & Walk in Kanazawa 2025」や27日の「市民公開講座」を聴講できればいいな~くらいに思っていたのですが、せっかくの地元開催です。
傍観しているだけではもったいない!と考え直し、年齢や諸事情はひとまず横に置いて、思い切って申し込んだという訳です。



ポスター発表も久しぶりなので、仕上げまでギリギリ。「なんでもっと早く始めなかったのか」と反省しきりでした。発表は2日目の夕方、金沢駅地下のもてなしドームで行われ、医療職のポスター会場の入り口という好位置でしたが、帰宅時間帯とも重なりマイクなしでは声が届きづらい状況。
それでも3分間、元ちゃんハウスの活動をしっかりアピールできたと思います。
ちなみに、西村理事長も遺族として一題発表されており、現地で写真の撮りっこをしました。
昨年、元ちゃんハウス8周年記念講演にお招きした天野慎介さんも、SSPアドボケートメンターとして参加されており一緒に記念撮影。




発表後は、ホテルで行われた懇親会にもSSP全員で参加させてもらいました。
2日目を終えて少し肩の荷が下りたみなさんの表情は晴れやかで、とても楽しそうでした。


最終日は、グループごとのプレゼンテーション。
私たちのテーマは「腫瘍内免疫微小環境を標的とした治療法開発」。
「口にするのも難しい題名だわ…」と思いつつ、各々手分けして調べたことをスライドにまとめました。初参加で右も左も分からない私たちでしたが、先輩方やSSP担当の先生方に支えられ、無事に発表を終えることができました。
ご一緒いただいたグループの皆さんにも心から感謝です。


ちなみに、一題だけ聴講した学会セッションでは、すべてのスライドが英語表記で専門用語が飛び交っているので、SSPの間では「まるで宇宙語!」と表現する声もありましたが、発表後の質疑応答では若い先生方の意見交換や提案が活発な様子を見て「日本のがん研究の未来は明るい!」と感じるひとときでした。
そして、今夜のノーベル賞発表です。研究に携わる先生方のお喜びはいかばかりか…。
そんな想いを抱きながら秋の月を見上げるのでした。

凄いカメラです✨
(2025年10月9日)

元ちゃんハウス ピアサポーター
米森直子