2月6日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開幕しました。
今日は4日目、早くも金銀銅各メダル獲得のニュースが飛び込んできています。やっぱり明るいニュースはいいですね、元気がもらえます。
フィギィア団体戦で日本チームは銀メダルを取りました。
その映像を見ながら、私の中で「冬季オリンピックと言えば」という記憶が甦ってきました。
それは2010年のバンクーバーオリンピックで高橋大輔さんがフィギィアスケート男子では日本人初の銅メダルを獲得した大会です。
フィギィアスケートは、ショートプログラムとフリーの両方の合計得点で競いますが、その銅メダルの決め手になったフリーの演技を、私はどこで見ていたかというと…抗がん剤の点滴を受けながら、でした。


で、当時抗がん剤を担当してくれた看護師さんが偶然、高橋大輔ファン♡。
「もうすぐ始まる~」「ジャンプは決まった?」などと、今思えば、化学療法室としてはずいぶん賑やかだったと思います。でも、あの時間は“治療中”という現実を忘れさせてくれる、ありがたい時間でした。
それが直接のきっかけという訳ではないのですが、その看護師さんには今も患者会やウクレレ部のお手伝いをしてくださっています。化学療法室で交わしたオリンピック談義が、こんなふうにつながっていると思うと、人とのご縁って本当にわからないですね。
当時を思い起こすともう一つエピソードがあります。
2010年の冬もそれなりに雪が降っていたようで、家の周りの雪かきをしてから治療に行くと、
看護師さんたちにとても驚かれました。治療前のルーティンとしてはかなり珍しかったようです。
そうなんです。雪かきは嫌いじゃないんです。
むしろ、ちょっと好きかもしれません。
ジムのトレーナーさんが言うには、“ランナーズハイ”があるなら、“雪かきハイ”もあるのだとか。
やっているうちに、苦しさよりも妙な集中状態に入って、手が止まらなくなる…そういわれた瞬間、うなずける~と思いました。
今年1月末には、全国ニュースになるほどの記録的な積雪がありました。
一晩で37cm。ふと見ると近所の小学生が私の駐車場に「ソリ遊び専用ゲレンデ」を造成してくれちゃったのです。それを崩して後方に寄せるために約6時間。


途中で、ふと我に返り、「…今わたしは何と戦っているんだろ?」と。
それでも“疲れた”よりも、“駐車場に雪がない!”という達成感のほうが勝るのです。
この話をすると、元ちゃんハウスのスタッフには変人扱いされそう…いや、すでにされてそう(笑)。
そんな日常もあってか、
「元気そうやね~、抗がん剤をやったとは思えない!」と言われることがあります。
若い頃と比べるのはさすがに無理ですが、体力を落とさないよう、できることは続けたいと思っています。

メンタルも大事ですよね。
病気になる前は、自称アスリート(似非の)でしたから、競技中はプロゴルファーの宮里藍ちゃんを真似て「歩く時は目線を下げない」を心がけていました。
下を向く=気分が下がる=結果に出る、という理屈です。
治療中も深刻になりすぎず、前向きに…というか半ば開き直っていたので雪かきでも大掃除もできていたのかもしれません。
今回のオリンピックでもフィギィアスケートの坂本花織選手が個人戦に向けて、
『やったるでー!』という言葉にパワーを感じて背中を押された気になりました。
今、治療中で同じような時間を過ごしている方がいらしたら、化学療法室での声援や、雪山との闘いの記憶が「なんとかなるさ」と思える一助になったらいいな~、なんて思っています。
(2025年2月12日)

元ちゃんハウス ピアサポーター
米森直子

