管理栄養士の〝食べまっし〟 日記  〜その33〜

元ちゃんハウス管理栄養士櫻井千佳 任田和子 元ちゃんハウス日記

「雪の山を眺めながら、食と一年をふり返る」

あっという間に12月となりました。
今年最後の「管理栄養士の〝食べまっし〟日記」です。

昨日、仕事としては今年最後の講演を終えました。
富山へ向かう高速道路で、小矢部を過ぎたあたりから見えてくる立山連峰の雪景色。


今年は里には一切雪はありませんが、白く連なる山々が視界いっぱいに広がると、毎回のように胸がいっぱいになります。運転しながら思わず涙が出てしまうことも(笑)。

「いつかこの景色が見える場所で暮らしてみたい」

そんな想いが、ずっと心の片隅にあります。快晴の日に、立山連峰を眺めながら布団を干すこと。
私のささやかな夢です。

久しぶりに少し時間に余裕ができ、スーパーへ立ち寄りました。
店内には、子どもたちの塗り絵と「クリスマスプレゼントはなにがほしい?」というコーナーがあり、バットやサッカーボールといった答えが並ぶ中で、目に留まったのが

「しらこの天ぷら」。

思わず笑ってしまいました。

食べたいものには、その子の家庭や日常がにじみ出るものですね。ほっこりしながら、「将来、管理栄養士にスカウトしたいな」なんて思ってしまいました。

今年を振り返ると、私にとって一番大きな出来事は、
今年のはじめ、1月に110歳で祖母を見送ったことです。
私は祖母にとって初めての内孫で、小学校に入学するまで一緒の部屋で寝起きをしていた、いわゆる「おばあちゃん子」でした。


食事の時間を大切にすること、旬のものを味わうこと、

「ちゃんと食べる」という何気ない日常は、祖母と過ごした時間の中で、自然と身についていったように思います。祖母が台所に立つ後ろ姿や、食卓を囲む時間は、今でも私の原風景です。

祖母の生きた110年を思うと、私はまだ半分にも届いていません。
それでも、忙しさに流されがちな毎日の中で、

「今日、何を食べるか」「誰と食べるか」

そんな小さなことを、ほんの少し丁寧に選ぶことが、自分の暮らしを大切にすることにつながるのだと、年の終わりにあらためて感じています。

食べることは、特別なイベントではなく、毎日のこと。
だからこそ、完璧を目指さなくてもいい。
季節を感じる一品があったり、誰かと「おいしいね」と言い合えたりする時間があれば、それで十分なのかもしれません。

来年早々には書初め(ぜんざいを一緒に食べましょう)

と文化祭があります。

料理教室は2月、毎年ご好評をいただいている 「かぶらずし作り」 を予定しています。

すでに、ぶりは下ごしらえとして塩漬けにしてありますので、当日は皆さんと一緒に、わいわい楽しく仕込み作業を行います。
仕込んだかぶらずしはその場では食べず、それぞれご自宅に持ち帰っていただき、数日間寝かせてからお召し上がりください。

当日は仕込みが終わったあと、簡単な軽食を囲みながら、ゆったりとした時間を一緒に過ごしたいと思っています。

(2025年12月18日)

管理栄養士 櫻井千佳

元ちゃんハウス 管理栄養士
櫻井千佳