新型コロナウイルス感染症

待合で手荷物を渡した後に、立ち去り難くその場にとどまる。何かを期待するでもなしに、ただ待合の奥の病室につながる廊下を眺める…

施設でクラスターが発生し帰ることのできない高齢者がいる。療養病棟で寝たきりの患者に紛れて治療を終えた人たちが閉じ込められている…

患者には病室の友達がいる。病室の「暮らし」のなかで相手を知り、気持ちを知る。友達という「いばしょ」ができる…

コロナ禍の子どもの入院は家族の付き添いだけでなく、面会の時間や回数を制限する。病気の治療は身体と心の支えが必要だ…

面会ができず家族と会えない時間がただただ過ぎる。しかし、家族にはそれまでに過ごしてきた時間の蓄積がある…

世話さえできない家族の思いは丁寧に準備する着替えに込められる。どんなふうにベッドで過ごしているだろうか…

病室を知らない。場所もベッドの位置も窓からの景色もわからない。電話やメールで入院中の様子を聞いても、実際を見ていないから…