compassionate communityって何??
先週末の10月28、29日は仙台で開催された『第30回日本ホスピス・在宅ケア研究会 全国大会』に参加してきました。
今までもお声掛け頂いて学会や講演会でお話させていただく機会はありましたが、今回初めて自らの意思で参加したい!と思って会員になって、抄録を書いて申し込んで口演させていただきました。
なぜ参加したかったかと言うと仙台での開催だったこと、大会長が東北大学大学院教授で臨床宗教師で金沢出身の谷山洋三先生だったこと、実行委員に石巻赤十字病院の鈴木聡先生がいらっしゃったからです。
実は前理事長の夫が、病気がわかって1年半後の2016年10月に石巻で行われた第6回がん哲学外来コーディネーター養成講座で先生方と対談しているのです。金沢がん哲学外来のメンバーとともに体調を心配しながら参加していました。
そして私が理事長になってからは夫からのご縁をつなげて頂き、東北でお話しさせて頂く事が続きました。ネットショッピングしかしていない普通の主婦だった私が、慣れないパワポに四苦八苦しながら、仲間に発表のスライドを手伝ってもらって夫のことや元ちゃんハウスのことを話させていただいたのが、
2017年11月の『石巻がん診療懇話会』でした。その後は、
2018年11月の『地域相談支援フォーラムin福島』
2019年1月の『石巻の日和山カフェ1周年記念』
2019年には福島労災病院での『平成30年度地域がん診療連携拠点病院 市民公開講座』
で東北の方々と繋がるご縁を頂いていたのです。東日本大震災の爪痕の残る福島や石巻を夫を亡くした喪失感と哀しみを抱いて歩いたあの思いは今でも忘れません。そんな私が7年目の元ちゃんハウスの話をするために今回再度東北に行ってきたのです。
日本ホスピス・在宅ケア研究会は、終末期の医療とケア・在宅福祉サービスと看護・医療の問題を医療従事者・社会福祉従事者・市民・患者のみなさんが、同じ場で対等の立場で話し合い、そして互いに学ぶ場だそうです。会場では○○先生と言ったら罰金100円の寄付をしないといけませんでした。私も何回も言ってしまいました。本当に会いたかった方がたくさん、学ぶ事が満載の会でした。充実し過ぎて、分身の術が無ければ決して全部は聞けません。そこは有難いことに後日オンデマンド配信があるそうなので再度学びます。
今回compassionate communityという言葉がキーワードになっていますが何?コンパッションって最近聞くけど何??
調べると【思いやり 慈悲 深い同情・・】
コンパッショネイトだから形容詞か?大会長の谷山先生の説明では“情げぶけぇ”コミュニティと表現されています。情のあつい地域、つながり合う地域ということは専門職中心のコミュニティではなくて、市民中心の当事者中心の一人一人を大切にする地域をめざすということだそうです。元ちゃんハウスはやっているかも…できているかも…!がんになることが避けられないのであれば、金沢の地に、せめて安楽に、なるべく嫌な思いをしないように、わがままになっていい場所、いろいろな人が集える場所、ささやかでも笑顔になれる場所、語れる居場所・・更に“情げぶけぇ”元ちゃんハウスを目指します。
東北弁で「おらぁ、ここで最期までいぎてぇ」と言うなら、前理事長の夫は
「僕は大好きな金沢で最期まで生きたかったげん!」
そして
「僕は大好きな金沢に元ちゃんハウスを作って、最期まで生きたげん!」
「情け深い居場所の元ちゃんハウスがみんなにも必要ねんし、しなしな~と頑張って続けてくれんけ?みんな、応援してくれんけ?」
と金沢弁で言ったはずです。
(2023年11月2日)
元ちゃんハウス 理事長
西村詠子
コメント
石巻で会社の同期が津波に飲み込まれたこともあり、石巻薬剤会と関わるようになり、僕の生き方が被災された方の力になると言われて何度か講演に行ったことがありました。2012年-15年だったと思います。ちょうど入れ違いでしたね。石巻赤十字病院でも講演しました。
久田様、コメントありがとうございます。久田さんもすでに支援者として関わっていらっしゃったのですね。私よりもっと大変な時期です。日和山カフェも素敵な活動をされています。