私たちは今年度「金沢がん共生まちづくり 3.0 広域的ネットワーク構築事業」を展開しています。
活動を続けられるのは、出会った方々が「元ちゃんハウスがあって良かった!」と言ってくださるからです。もっと多くの必要としている方々に元ちゃんハウスの存在を知ってもらいたい、そして全国各地に同じような場が広がってほしいと願っています。立ち上げの時、軌道に乗せる時、そして継続・発展させる時、それぞれに悩みは尽きません。だからこそ、抱えている問題を共有し、ともに考え、協力し合うことで状況を改善し、一歩ずつ前に進めるのではないかと思っています。
これまで神戸・大阪・新潟の活動の場を訪ねてきましたが、今回は石巻で活動している「日和山カフェ」を訪問しました。

日和山カフェは2018年、石巻赤十字病院のがん相談員である看護師の佐藤京子さん、ピアサポーターの西村和佳子さん、そして医師の鈴木聡先生によって立ち上げられました。
私がこの3人に初めてお会いしたのは2017年11月の石巻がん懇話会です。その際、鈴木先生のお招きで「多職種で作る元ちゃんハウスの作り方」を地域の皆さまの前でお話ししました。理事長として一人で講演する初めての機会でした。

鈴木先生は、前理事長である夫の闘病中の想いを聞いて「自分も“がんとむきあう会”のような活動をしなくてはいけない!背中を押してもらった」と語ってくださいました。


2018年10月には佐藤さん、西村さんが元ちゃんハウスを訪れてくださり、2019年には日和山カフェ1周年記念講演に招かれて「地域でがん体験者とご家族を支える」というテーマで対談し、意見交換もしました。その後もお互いにできる形で活動を続けています。同じような悩みを共有し、「そうそう!」と共感し合いながら「一緒に頑張ろう!」と励まし合いました。


21日はお天気にも恵まれ、西村和佳子さんご夫婦が車で案内してくださいました。
名和晃平さんの作品「White Deer (Oshika)」はとても素晴らしかったです。
👉 https://public-art.jp/archives/8596




車で海や川沿いを案内していただきましたが、そこには必ず高い土手がありました。堤防や護岸が整備され、海や川が見えなくなっているのです。津波に備えるためだとは思いますが、同じ被災地でも能登の風景とは違っていました。
今回のネットワーク構築事業の活動については、また改めて事業報告をいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
(2025年10月2日)

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子