理事長の〝ちゃべちゃべ〟 日記  〜その33〜

元ちゃんハウス日記
いよいよ元ちゃんハウス9周年記念展
– 山本基 個展「彩りの記憶」が始まりました。

16日から作品等の搬入や現地での制作が始まり毎日その様子を見ていると、作業の大変さを目の当たりにしつつも、だんだん出来上がっていく過程も見ることが出来て、楽しくわくわくしていました。

迎えた11月23日の初日は見事な秋晴れの日となりました。

2階のギャラリーケアリングでの個展会場、3階でのアーティストトーク 「忘れないためにつくり続ける」では椅子が足りなくなるほどの方が来て下さり、4階セミナールームでは能登で崩壊した作品から生まれた「記憶のかけらプロジェクト」ワークショップ・アクセサリーづくりも行われ、元ちゃんハウス全フロアを使っての芸術の秋を満喫した一日となりました。
ワークショップには、故郷の奥能登から離れて小松や金沢のみなし仮設でお過ごしの方々や、志賀町からご家族でお越しくださった方々もいらっしゃいました。「故郷の珠洲の作品の塩を身につけられてうれしい」というお言葉もいただきとてもうれしかったです。

初日の様子はこちらからどうぞ↓
「アクセサリーづくりのワークショップ」や「アーティストトーク」で賑わいました。 | 元ちゃんハウス

翌24日と30日の日曜日はギャラリーの来訪者対応に入りました。来られた人がゆっくり作品を味わえるように、あまりちゃべちゃべと説明しないであくまでも静かに見守る“監視員モード”に徹します(笑)。でも聞かれた時にはちょっと得意になって…聞かれたことだけをお答えしましたよ(笑)。2018年の作品も見たという方も多く、そんな出会いも嬉しい時間でした。











一方で、だれもいない時間はすごく贅沢な時間と空間です。壁も床も真っ白なギャラリーで山本さんの作品に囲まれて、ぼーっと何も考えないで、ただ空間に身を置いてゆっくりと呼吸しました。見も心も癒されます。ここのところ毎日バタバタと時間が過ぎることも多いのですがこの時間は内省しつつパワー充電できました。山本さんが『このギャラリーで過ごす時間が、移ろいの中にあるささやかな光と彩りを感じていただけるひとときとなれば幸いです。』とおっしゃっていますが、まさしくそれです!それを体感しました。奥の方には映像のコーナーがあるのですが、その音楽とのゆっくりした語りの声がまた心地よいのです。

監視員の椅子からの景色①
監視員の椅子からの景色②

私も2018年の作品展のことや、山本さんとの出会いのこと、遺族の会であるもくれんの会のこと、そして9年間の元ちゃんハウスのこと、そして夫のこと・・・。
振り返っていました。

また、山本さんがギャラリーに来てアート関係の方々とお会いしている時。紹介していただいたり、お話の中に入れていただくことも幸せな体験でした。今までの医療や福祉の方のつながりからずっと広がることが有難かったです。アート部の皆さまも来てくださってお会いできてうれしかったです。

谷内江先生とパチリ①
谷内江先生とパチリ②


アート部顧問と部長さん


こんなにたくさんのご褒美をいただいたのでもっと頑張ろうと思います。

山本さんからのメッセージ

『私はかつて、妻を乳がんで亡くしました。その経験から、患者さんやご家族が気軽に相談できる場所の大切さを強く感じています。この個展は、そんな元ちゃんハウスの存在を、より多くの方に知っていただきたいという思いから生まれました。この元ちゃんハウスが担っている役割を、今あらためて深く感じています』

をしっかりと受け止めたいと思います。それはエールと同時に、期待や使命や課題でもあると思います。真摯に受け止めたいと思います。


来年は10周年です。この真っ白いギャラリーで何かできればいいなあと思います。
どうぞ皆様これからもご一緒ください。

(2025年12月4日)

元ちゃんハウス西村詠子理事長

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子