金沢では桜の見頃もピークを過ぎ、ちらほら散り始めたようです。
元ちゃんハウスは兼六園から歩いて6、7分という場所にあり、
観光客の姿を見かけることも少なくないのですが、最近は特に欧米からの旅行者がとても目立ちます。
金沢駅などは
「今、どこにいるんだったっけ?」
思ってしまうほど色んな国の人々で賑わっています。


日本のアニメが海外で大人気というのはTVなどで見聞きしているので、若者だけのブームかと思っていたのですが、実際には文化や食、生活そのものにも惹かれてやって来る人がとても多いのだとか。今は円安の影響でさらに来日しやすいのでしょうね。
石川、金沢と言えば代表的なのが輪島塗や加賀友禅、九谷焼、金箔といった伝統工芸に加え、桜や和菓子、海の幸・山の幸も豊富となれば訪れる理由に事欠きませんよね。
そんな中、最近ちょっと面白い方に出会いました。茶道の先生をしているという、エジプト出身の男性です。なんと38年前に京都の同志社大学に2年間留学し、その間に柔道と裏千家に入門し、教授の資格を取得。帰国後はカイロ市内で今もずっと教え続けているのだそうです。

熱心なお弟子さんが30人くらいいて、中には写真のような和菓子を作ってくれるお弟子さんがいて、今年の初釜は花びら餅(お正月限定の和菓子)で盛り上がったというのです。


さすがに、あずきの餡は手に入らないため、かぼちゃや大豆などで代用しているそうですが、写真を見るとその完成度は、まるで職人技ですよね!
ちなみに毎週、日本大使館の部屋とお道具を借りての教室なので、お月謝は無料、全くのボランティアで教えているということでした。
その謙虚な佇まいが「現代の侍か?」と感心していたら、
なんと昨年、日本政府から旭日小綬章という勲章を授与されたという驚きのエジプト人なのでした。

私が若い頃は、お茶やお花を習うのは女子のたしなみとか花嫁修業といったイメージが強く、私も細々とお稽古を続けていますが、膝が痛くて正座ができないとか、着物を着るのが大変で…とお稽古仲間が減っていて寂しい限りです。
なのに海外では和の文化を大切にされているのを見ると、将来、外国に茶道の家元が現る!‥なんてことになっても不思議じゃないかもしれませんね。


それは茶道に限った話ではないかも…というのも、子供の頃、ピアノ教室に通うと年に一度はホールを貸し切っての発表会が当たり前でしたが、今どきは、単独の教室では生徒数が足りず、それが出来なくなっていると聞きました。
が、最近目にした発表会では、妙齢の女性たちがシャンソンやフラメンコを披露していて、その華やかさと賑わいにびっくりさせられました。いつの間にか習い事の事情や風景が変わってしまったようです。
外国の方が日本の文化に憧れてくれるのはとっても有難いと思うのと同時に、私たち自身が自国の文化にもっと気軽に触れる機会を大切にしたいなぁ~と思うこの頃です。
(2025年4月9日)

元ちゃんハウス ピアサポーター
米森直子
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