看護師の〝あんやと〟 日記  〜その7〜

元ちゃんハウス看護師毛利葉月 元ちゃんハウス日記

時を経て、ストンと腹落ちした言葉!

『ネガティブ・ケイパビリティ』『レジリエンス』…ある日のナイト元ちゃんハウスで飛び交った言葉です。カタカナが並んで、あらなんだか意識高い系!?いえいえ、この日のナイト元ちゃんハウスもいつもと変わらぬスタッフに、おなじみの方、初めての方、と、特別なことはなかったのですが、今、振り返りたくなるナイト元ちゃんハウスになりました。

ナイト元ちゃんハウスはZoom で毎月第一水曜日に開催しています。全国から参加できたり、自宅でリラックスしながら参加できたりするのがオンラインの良さで、進行の理事長が、「あ、宅急便来た!毛利さん、ちょっとだけ進行お願い!」ということもあったりします(笑)。

さて、先月9月のナイト元ちゃんハウス、何がきっかけかは忘れてしまったのですが、レジリエンスという言葉が出ました。レジリエンスとは、
逆境やトラブル、強いストレスに直面し、困難な状況に陥っても、しなやかに受け止めて適応し回復する力です。私は学校教育の現場でこの言葉に出会いました。

レジリエンスの話題がきっかけで、キャリアカウンセラーの高田康子さんが、読んだ本のことを紹介してくれました。

『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』 (朝日選書) 帚木 蓬生 (著)

画像はAmazonよりお借りしました。

ネガティブ・ケイパビリティとは、
性急な見解や解決を求めずに、宙ぶらりんのなかに居続けられる力、不確実さや不思議さ、疑いのなかに、居続けられる力
だそうです。高田さんから教えてもらって、ポンッと膝を打ちました。そしてつい最近また、ネガティブ・ケイパビリティに出会いました。それはカウンセラーに必要な能力を学んでいるときでした。キャリアカウンセラーの高田さんに教えてもらったので、カウンセリングを学んでいるときにまた出会うのは必然かもしれませんが、まただ!と膝を打ちました。

元ちゃんハウスで患者さんやご家族とお話していると、前向きな言葉やポジティプにあろうとすることが、必ずしも気持ちを楽にすることには繋がらないということを、痛切に感じます。

「止まない雨はない、とかじゃなくて、今降ってるこの雨がもう耐えられないっつってんの。」
アニメ・イラスト作家の谷口崇さんがTwitterに投稿した言葉です。この言葉が、あるお寺の掲示板に書かれたことで話題になり、私もとても共感しました。

ぐるぐると考え続けて、答えが見えなくて、宙ぶらりんでもいい。そして、そういう人に対して早急に答えを出して渡そうとせず、ペースをあわせてそばにいる。
ネガティブ・ケイパビリティという考え方が、私の心にすっと入ってきました。
…と、ここまで書いてきて、ナイト元ちゃんハウスでネガティブ・ケイパビリティを教えてもらったのが、本当に最初だったっけ?と思えてきました。…調べてみたら、去年2022年の夏に、ネガティブ・ケイパビリティに関するコラムを読んだ形跡が、私のパソコンにしっかりと残されていました。ちょうど学校現場を退職して元ちゃんハウスに復帰しようかという時期です。今、こんなにも大切にしたい言葉として心に響いているのに、一度スルーしているなんて!自分に驚いています。人は見たいものしか見ない。こういうのを『確証バイアス』と言うんだったっけ?違ったっけ??また新たなカタカナ語が現れ…今度のナイト元ちゃんハウスでまた教えてもらおうと思います。

(2023年10月26日)

看護師 毛利葉月

元ちゃんハウス 看護師
毛利葉月

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