看護師の〝あんやと〟 日記  〜その14〜

元ちゃんハウス看護師毛利葉月 元ちゃんハウス日記

心配性なのも悪くない

元日に起こった能登半島地震から5ヶ月が経とうとしています。元日、私は七尾市の実家に帰省していました。幸いにも、発災翌日に加賀地方にある自宅に帰ることができました。七尾市の実家も家屋に大きな被害はなく、断水等で不便だった時期もありましたが家族みんな無事です。「そんな私の立場で能登半島地震を語るようなことをしていいのかな?」とずっと思っていて、今でもその気持ちは変わらないのですが、地震前と地震後で気持ちや生活にどんな変化があったか、振り返ってみようと思います。

まず思いついたのが、「荷物が多いことを気にしなくなった。」ということです。私は、(こう見えて?)心配性なところがあり、あれもこれも…もしもに備えて…と、荷物が多いです。


先日も、私の荷物をちょっと動かした元ちゃんハウスのスタッフに「重ーい!一体何が入っとるん?」と驚かれました。財布ひとつ持って、あるいはスマホひとつでヒョイと出かけられる人に憧れていました。
でも地震のとき、この大荷物に自分が助けられたことはもちろん、少しは他の人の役にもたったかなと思っています。スマホ用のモバイルバッテリー、充電用のケーブル、カイロ、マスク、常備薬、生理用品、飲み物などなど。
そして痛感したのが、「自宅で被災するわけではない。」ということです。自宅から逃げるときは、防災リュックを持ち出すことができるかもしれませんが、出先ではそういうわけにいきません。かと言って、災害のことをいつも考えて外出時の荷物がすごく増えるのも考えもの…、と思っていました。そんなときに、元ちゃんハウスの「まなびの教室」で、防災士の方の講義がありました。「旅行の際には1泊分多めに着替えを持って行くなど、できることから。」と教えていただき、「できることから。」が大切だなと、気持ちが落ち着きました。

私の心配性は父譲りです。そんな父は、「起床したら早めに着替えるようになった。」と言っていました。地震前はパジャマのままゆっくり新聞を読んで、出かける間際までパジャマで過ごしていたのですが、いつでも外に出られるようにと、意識が変わったと言っていました。
そして、「地震を経験して、心配性なのも悪くないと思った。」とも言っていて、これまた私の気持ちが落ち着いたのでした。
ちなみに、父とは対照的な楽天家の母は、高台に避難するときに足腰が思いのほか強いことを実感し、「毎日ラジオ体操しててよかったーーー!これからも続けよう!」と思ったそうです。

私が最近、「今大きな地震がきたらどうしよう。」と思ったのは、美容院で髪を染めているときでした。

美容師さんに大急ぎでシャンプー台で流してもらう?そうこうしているうちに美容師さんも私も逃げそびれたら?カラー剤を髪にべったりつけたまま避難!?…想像が止まりませんが、心配しすぎもよくないですね。「できることから」やっていきたいです。

(2024年5月23日)

看護師 毛利葉月

元ちゃんハウス 看護師
毛利葉月

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