先月の8月19日、気温38度の中、大阪府高槻市で行われたがん患者学会2023に参加してきました。
がん患者学会というのは、全国各地のがん患者団体やがん患者支援に関わっている皆さまが集まり共に課題について学び、各地の取り組みを共有、議論しながら、より良いがん医療とがん患者支援を考えることを目的としており、全国がん患者団体連合会(全がん連)が主催している学会です。
今年は“次世代のがん対策を共に考える”というテーマで、みんな真剣に熱く学んでいました。とても刺激を受けました。私も大いに学ばないといけないと思います。ただ、患者さんも本当に様々です。積極的に学会などに参加して新しい知識を得て医療者と同じ理解を求めて、自分のがんと向き合っている方もいます。でも、元ちゃんハウスにはご自分のがんについてあまり理解していない方や、実際の事は知りたくないとさえいう方も来ます。私達も新しい知識も学びつつ、人それぞれの思いがあることを大切にして、その方に応じて対応していきたいと思っています。
今回は全がん連理事長の天野慎介さんからのお声掛けがあり『元ちゃんハウスの軌跡と展望』というテーマでお話する機会をいただきました。天野さんは2018年に元ちゃんハウスに来てくださっています。その時、「患者団体やサロンは情熱と勢いで3年間は誰でも続けられるが問題はその後だ」との言葉をおっしゃいました。
お陰様で元ちゃんハウスは今年で7年目です。続ける事の難しさを感じていますが、それと同時に7年続けているからこそ言える事もあります。前理事長の夫が胃癌になったから、元ちゃんハウスが「あったらいいな~」から実際に開設できたいきさつ、そして今現在の活動の紹介、そしてこれからの事も話しました。有難いことに、沢山の方が元ちゃんハウスの事を聞いたことがあるとおっしゃってくださいました。改めて、元ちゃんハウスのサポートというのは、専門職のサポートだけでもなく、ピアサポーターのサポートだけでもなく、がんサロンでもなく患者会でもないオンリーワンのサポートだと思います。
日本全国に元ちゃんハウスの様な場が欲しいと、同じようなことを考えている人はたくさんいるはずです。その中の一つの形として結果を出すことで次に続く人たちがやりやすくなると思います。そのためにも自分たちがしっかりとその過程を示す必要があると思っています。
がんと言われて、地域の間で戸惑うがん患者さんやご家族を支えていくための体制を地域の特性に応じて作り上げていきたいです。元ちゃんハウスが、がん患者さんやご家族の居場所になり、病院だけの医療では対応しきれない隙間を埋める役割を果たし、医療や介護以外のことも自由に気軽に話し合える環境を作っていることが、がん患者さんのQOL(生活の質)を向上させて、少しでも地域医療に貢献できるのではないかと考えています。
とにかく愚直に真摯に活動していきます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
(2023年9月7日)
元ちゃんハウス 理事長
西村詠子
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