理事長の〝ちゃべちゃべ〟 日記  〜その42〜

元ちゃんハウス日記
がん哲学外来市民学会愛知大会へ

8月29日、30日は、第14回がん哲学外来市民学会愛知大会に参加するため、名古屋へ行ってきました。

今回の大会長を務められた松岡宏先生は、以前、夫と一緒に研究をされたことがあり、そのご縁から、がん哲学外来とつながることになったそうです。
その松岡先生から「旅立った人に何を学び、どう行動変容につながったのか。元一先生のお話と、元ちゃんハウスへの話してほしい」とのお声をかけていただき、今回お話しする機会をいただきました。



私のテーマは「私にとってのグリーフケアの場~元ちゃんハウスでの支え合い~」。夫を見送った後、元ちゃんハウスという場でたくさんの人と出会い、支えてもらいながら、私自身も少しずつ変化してきたことをお話ししました。

大会では、本当にたくさんの学びがありました。

教育講演では、明智龍男先生から「聞く」と「聴く」の違いについて。「聞く」は情報を受け取ることですが、「聴く」は声や表情、感情を察しながら耳を傾けること。「聞く」より「聴く」、「答える」より「応える」ことの難しさについて考えさせられました。

また、「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉も改めて心に残りました。すぐに事実や答えを求めるのではなく、不確実さや曖昧さに耐えながら、そのまま受け止めていく力のことです。がんやグリーフと向き合うときにも、とても大切なことだと感じています。 永井玲衣さんからは「問いでつながる哲学対話」について、磯野真穂さんからは、相互理解のためには文脈や背景を共有するだけでなく、「互いの意図を共有する」ことが大切だというお話を伺いました。室圭先生から最新の医療情報を聞いて、「今なら、もっと夫は生きられたのかも……」と思ってみたり、小野純一さんからは生命の尊厳について考えさせられたり。磯野真穂さんは映画にもなった「急に具合が悪くなる」の作者でサインもいただきました!

そして大会長講演をはじめ、樋野興夫先生、宗本義則先生、安藤清先生が揃って「未来のがん哲」を語る姿を見て、改めて、夫と私ががん哲学外来との関りを思い出しました。皆さんが夫を忘れずにいてくださること、そして夫とのご縁を今もつなぎ続け、私のことも温かく迎えてくださること、そのことが本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

樋野先生がおっしゃった「靴を履いて外へ出ることが大事。そうしたら人に会える」とおっしゃるように本当に出会いに行く大切さを感じました

そして、せっかく名古屋まで行ったのですから……もちろん、ちゃんと名古屋飯も堪能してきました!

(2026年9月3日)

元ちゃんハウス西村詠子理事長

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子