11月23日より、元ちゃんハウスにて山本基さんの個展「彩りの記憶」が開催されます。
山本さんとのご縁は2018年、まだギャラリーケアリングができる前の元ちゃんハウス2階で開いた展覧会が始まりでした。
当時の企画「東アジア文化都市2018金沢 街なか展覧会『変容する家』」で、山本さんは塩で描かれた作品「紫の季節」を展示してくださいました。 その作品には、がんで亡くなられた奥様と妹さんへの想い、そして奥様との思い出の花「もくれん」が込められていました。そこから、私たちの遺族会を「もくれんの会」と名づけました。
元ちゃんハウスにとっても、とても大切なご縁です。
インスタレーション「紫の季節」 | 山本 基 – Motoi Yamamoto –
今回、元ちゃんハウス9周年に向けて個展を開催してくださいます。山本さんのお気持ちがありがたく本当に光栄なことと思います。以下の暖かなメッセージをいただきました。泣けます!
山本さんからのメッセージ
『2018年、私は元ちゃんハウスで紫色の木蓮を塩で描きました。乳がんで亡くなった妻との記憶を、思い出の花に託した作品です。 この秋、元ちゃんハウスは9周年を迎えます。そして私にとっても、妻を見送ってから9年の時が流れました。 塩で描かれた作品は、生まれ、やがて海へ還ります。その自然の営みのように、人の歩みも静かに続いていきます。 昨年の能登半島地震では、私が参加していた奥能登国際芸術祭の会場も被災し、塩の作品が倒壊しました。しかしその欠片は「記憶のかけらプロジェクト」として受け継がれ、参加者が塩を樹脂に閉じ込めてアクセサリーを作るワークショップとして、新たな形へと生まれ変わっています。 本展では、移ろいゆく時と元ちゃんハウスの歩みを重ねた塩の作品、深い秋の空を思わせる青、新たな積層シリーズに加え、塩のスクリーン上に光の線がゆっくりと広がり、やがて静かに消えていくデジタルドローイング作品も展示します。それぞれの軌跡は、記憶が生まれ、やがて消えゆく過程を、そっと映し出してくれるでしょう。 この展示を通して、訪れる人が、移ろいの中にある確かな光と彩りを感じてくださることを願っています。 ※ 本展は、がん患者やそのご家族、そして元ちゃんハウスを支える仲間への感謝と応援の気持ちを込めて企画したものです。 ご希望があれば作品販売も行いますが、その一部は元ちゃんハウスの活動支援のために寄付いたします。』


開催初日の11月23日は、山本さんのお話会と「記憶のかけらプロジェクト」によるワークショップがあります。
元ちゃんハウス優先枠がありますので、ぜひご連絡ください。 また、能登の方は参加費無料です。
私は山本さんの作品が大好きで行けるところは追っかけています。今年の瀬戸内国際芸術祭の宇多津エリアで作品が見られるとのことで行ってきました。岡山乗り換えで瀬戸大橋を渡り香川県へ。
倉の館三角邸を会場として「時を紡ぐ」と題した作品です。



家一軒に作品が展開されていて圧倒されました。小さなボトルからサラサラと小さな小さな粒の塩を絞り出して壮大な作品をただ一人で黙々と描いていらっしゃいます。奥様や妹さんを想っていらっしゃるのでしょうか・・何を紡いでいらっしゃるのでしょうか・・・。勝手に解釈をしますが本当に感動します。


瀬戸内国際芸術祭2025のリンクはこちら↓
「時を紡ぐ」(ときをつむぐ) | 作品 | 瀬戸内国際芸術祭2025
ますます元ちゃんハウスで個展をしていただけることが有難くとっても楽しみになりました。
どうぞ、みなさまお越しください
山本さんの作品の後も、ゆっくりと宇多津の街を周り四国水族館へも行って、穏やかな瀬戸内海に癒されました。
もちろん、抜け目なく地元の婦人部の方が作った地元の鰆の押しずしも美味しくいただきました。

(2025年11月6日)

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子

