元ちゃんハウススタッフの日記

元ちゃんハウス日記

もくれんの会(遺族会)グリーフケア

今年度2回目の第5週目木曜日です。遺族・看護師の角口です。

8月17日土曜日、もくれんの会(遺族会)がありました。お盆直後の開催とあって、話題はお盆をどのように過ごしていたとの話になりました。実は金沢市のお盆は新盆で7月13日から16日なのです。少し紹介しますと、金沢ではお墓参りに行く時に「キリコ」という灯籠を持参してお墓の前のロープに飾りお参りします。「キリコ」には持参された方のお名前が記入してあるので、〇〇さんがお参りに来てくださったなどわかるのです。市内のスーパーなどではこの時期になると箱型や板型などの「キリコ」が店頭に並びます。ご家族ご親戚皆がこの新盆期間に墓参りに来られるわけではないことと、金沢から少し離れると旧盆の8月13日〜16日になるので、スーパーの店頭では2ヶ月以上に渡って「キリコ」が並び続けるのです。すぐに過ぎ去っていくよりは、ご先祖様や故人の存在を長く感じられる金沢っていいな〜と思うのは遺族だからでしょうか。

2ヶ月にわたり並んでいる「キリコ」

『グリーフ(悲嘆)ケア』というと、多くの方は遺族ケアを連想されると思いますが、本来の意味は『喪失の悲嘆へのケア』になります。超簡単に私なりの解釈で話しますと、とても大事なものを無くし悲しんで落ち込んでいる時や、失恋などをした時の寂しさなども「喪失の悲嘆」であり、ご家族や友人達はその体験話を聞いて慰め合ったり食事に誘ったり、共感して頷いたりしているのが「ケア」、それによって気持ちの変化が生じてくることが「過程」になります。誰にでもそんな経験は大なり小なりあると思います。ここで重要なのは喪失したものは何なのか?になると思います。

私は昨年グリーフケアサポーターとしての講義を受講しました。

グリーフケアを基礎からしっかりと学ぶことの目的もありましたが、それよりも自分のグリーフを見つめ直し、グリーフの過程が自然なのかを客観的に知りたいと思いました。「膵臓がん」「コロナ禍の面会制限」では、常に最悪な状態を考えてしまう予期悲嘆の状態であったり、「在宅緩和ケア」の家族負担の大きさに戸惑ったり、「在宅での見送り」最期の見送り方に後悔が残ったり、いまだにこれで良かったのか?と思うこともあります。いろいろな情報を得ることで逆に迷走状態に陥ることもあります。それでも今は自ら「意味づけ」をしている段階で、知らず知らずのうちに自分の存在意識が高まり同じ境遇の方たちに自分も何かできることがあれば、と活動行動に繋がっていると実感しています。それぞれの期間に長短はありますし、1つ1つがグリーフの過程なんだと理解しています。

もくれんの会(遺族会)に来られる方々も、お互いの辛い体験やお気持ちを共感し話し合うことで、ご自身の「意味づけ」をされているのではないかなと思っています。そしてご自分の存在意義の確認や次に繋がる何かを見出そうとされているんだと感じます。存分に故人を想い語り合いたいです。

次回のもくれんの会は11月16日土曜日13時からです。
お申し込みはこちらからどうぞ!

もくれんの会

(2024年8月29日)

元ちゃんハウス 看護師
角口 園美

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