管理栄養士の〝食べまっし〟 日記  〜その7〜

元ちゃんハウス管理栄養士櫻井千佳 任田和子 元ちゃんハウス日記

食欲の秋、芸術の秋「国民文化祭」

元ちゃんハウス管理栄養士櫻井です。今回は、食べ物ではなく、芸術の秋をテーマに。
「文化の国体」といわれている国民文化祭が石川県で始まりました。石川県のHPによると、国民文化祭は、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業その他の各関連分野における施策と有機的に連携しつつ、地域の文化資源等の特色を生かした文化の祭典で各種の文化活動を全国規模で発表、共演、交流する場を提供するとともに、文化により生み出される様々な価値を文化の継承、発展及び創造に活用し、一層の我が国の芸術文化の振興に寄与するものだそうです。金沢の街中でも閉会の11月26日まで、色々な催しが開催されます。

金沢には、
「空から謡(うたい)が降ってくる」
という表現があります。庭師や大工が高い場所で仕事をしながら謡を口ずさんでいた様子を表したもので、能楽が暮らしに根づき、とても身近な存在だったことがうかがえます。現在も金沢では宝生流(加賀宝生)が盛んで、市民に広く親しまれています。

金沢市では、70年以上も前から、中学生になると石川県能楽堂で能と狂言を鑑賞する「観能教室」があります。そんなこんなで、高校生の息子は加賀宝生を習い始めて約10年。この週末、息子が所属する子ども能サークルも国民文化祭の一環として、11月の本番の前に、地域の文化発信事業の中で、今までの公演の動画上映や、能クイズを行いました。
(クイズ例:仕舞の扇は流派で違います。宝生流はどれでしょうか?回答:写真の扇は宝生流です)

みなさんにとってはどんな能のイメージを持っておられますか?
「Most sleepy play in the world(世界で最も眠くなる演劇)!」
と能のことを説明した能楽師の方もおられます。私も中学生の時初めて能を見た際、初めは、わくわく途中からは睡魔との戦いでした。「能」を大成した世阿弥によると
「『能』が目指すべき理想の境地は『幽玄』である」そうです。
元々夢うつつの状態を表しているので眠くなっても良い、ということでしょうか?この説に出会ったときはなるほどと思いました。

宝生流の第二十世宗家、宝生和英氏は、
「能楽と雅楽は一定のリズムを刻むんです。他の音楽のように、メロディが激しく変わるようなことはありません。曲が早くても遅くてもリズムは八拍子で進むんですが、これは心音のリズムから来ていると言われています。 一定のリズム音を聞くと、人間は副交感神経が優勢になります。 副交感神経はリラックスさせる神経なので、眠くなってきます。」
と語っています。能は自分自身の身を任せてゆったりできる最高のエンターテイメントではないでしょうか?
ぜひみなさんこの機会にリラックスしながら能に親しんでいただければと思います。

(2023年10月19日)

管理栄養士 櫻井千佳

元ちゃんハウス 管理栄養士
櫻井千佳

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