管理栄養士の〝食べまっし〟 日記  〜その1〜

元ちゃんハウス管理栄養士櫻井千佳 任田和子 元ちゃんハウス日記

だれでも「いっしょ」に作って「美味しく」食べられる

元ちゃんハウスの創設者である西村元一先生とは大学病院で共に働いていました。「金沢にも、がん患者さんと家族や友人とが交流できる場を一緒に作らないか?」と誘われたのがきっかけで、がんとむきあう会の活動をはじめました。

手術後や抗がん剤治療の副作用で、食事の量が少ししか食べられなかったり、ゆっくりでしか食べられなかったり。闘病中の方は、周囲の目が気になって外食がなかなか楽しめない方も少なくありません。そんな方も参加できるようないっしょに作れる料理教室を目指して早8年がたちました。コロナ禍ではオンラインで開催することもありましたが、現在は元ちゃんハウスで毎月第一土曜日に開催しています。

料理教室

これならできるかもと思うような時短レシピや、手間暇かけた本格的なものや、郷土料理まで利用者さんのリクエストからのメニューもあります。無理せず自分ができる担当を担いながらの料理教室です。ちょっとした料理のコツから、がんと栄養に関する海外論文の話があったりと、幅広い内容となっています。作り終わったあとは、みんなでゆっくりと食べます。そろそろ以前のおしゃべりタイムも解禁でしょうか? 来月は、8年前第1回目の料理教室で作った「皮から作る餃子」を作ります。つるんとのど越しもよく食べやすい水餃子と冷凍保存も可能な焼き餃子です。5月は第二週の土曜日13日となります。

食べることによって摂取できる栄養は心身をつくる基本となります。食事は自分でできる最高のケアです。時には、「体によいものを」「栄養のバランスを」と考えて「がんばって食べよう」と思うあまり、食べることが苦痛になり本来の楽しいはずの食事がつらいものになることもあります。がんの治療中、治療後、どんな時でも「おいしく楽しく食べる」ことができるように考えたり、がん患者さんを支える家族の食を考えたり、生活の質(QOL)の維持にも影響する食について、4月からはじまった“ようこそプログラム”の「食と栄養」で管理栄養士と一緒に考えませんか?


先週、第1回目の「食と栄養」が開催されました。複数名の方に個別でお話を伺いました。治療中の家族の食、治療が終わったあとの毎日の食などいろいろな食についてお話を伺いました。「とりあえず、やってみるし、また聞いてもいいけ?」と少し晴やかなになったお顔が嬉しく思いました。これからも、必要な時に気軽に利用していただける時間にしていきたいと思います。

(2023年4月20日)

管理栄養士 櫻井千佳

元ちゃんハウス 管理栄養士
櫻井千佳

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