理事長の〝ちゃべちゃべ〟 日記  〜その4〜

元ちゃんハウス日記
大切なのは本当の自分!

元ちゃんハウスは、がんとむきあうあなたが抱える悩みや不安を看護師やがんを経験したピアサポーターや管理栄養士などの専門職達が受け止めます。

元々、設立時から専門職と患者、家族が横並びの関係で、友達のように接することをうたっています。今もそこは大切なコンセプトで変わりません。元ちゃんハウスの特徴は、医療職と一緒にピアサポーターも活動していることです。ピアサポートと言うのは同じような立場の人によるサポート、当事者同士の助け合いという意味です。

私も看護師ではありますが、がん経験者、遺族という立場のピアサポーターの気持ちが強いです。たしかに元ちゃんハウスは専門職が多いのですが、どちらかと言うと専門職色を出さないメンバーだと思っています。普通のおばちゃん、おじちゃんのようです。そしてもしかしたら、みんなピアサポーターなのかもしれません。元ちゃんハウスのスタッフはみんな共通のグリーフを抱えています。みんな、前理事長を失ったという悲しみを経験しています。前理事長が残された時間の中でやりたいと願ったことを一緒に叶えて、そして支えを失ったという、共通の悲しみを抱えながらの活動です。そんな当事者に寄り添った活動が起源としてあります。

NPO法人ミーネットのピアサポーター心得15条より

報酬とか名誉よりも、本当にボランティアの精神で寄り添ってくれました。もし、元ちゃんハウスを開設するお金が足りなかったら自分たちが出さなくちゃいけないんじゃないか、それも致し方ないと言う思いで集まった方達です。(結果的にはたくさんのご支援をいただき迷惑をかけずに済みました。)そして途中から参加してくれている方も同じ思いを共有して活動してくれています。そういう方達と活動できていることが本当に幸せですし、元ちゃんハウス独自の雰囲気を作っているのだと思います。これが大きな特徴だと思います。


元ちゃんハウスは病院でもない、家でもない町中にあるに第3の居場所です。
元ちゃんハウスと病院では何が違うのでしょう。

もし、私が病院の看護師だったら、業務にも追われ、看護目標を立てて結果も出さないといけないし、組織の中で上司の目も気になるし、自分の個人情報も出せないだろうし、個人の意見をいう事も躊躇すると思います。患者さんは、自分の事は話さず、聞くだけの私には浅い事しか話したくないかもしれません。でも、元ちゃんハウスでの私はプライベートなことも個人として思っていることも自由におしゃべりします。相手が自分を信頼して話してくれると感じるから、患者さんも信頼して本音を話してくれるのではないでしょうか。

元ちゃんハウスは深刻な話でも、楽しいおしゃべりでも気兼ねせずに、色々自由に本音を言っても良い場所なのです。そしてそれを、がんとむきあうことの辛さを実感している看護師やがんを経験したピアサポーターや管理栄養士などの専門職達が受け止めるのです。

(2023年7月6日)

元ちゃんハウス西村詠子理事長

元ちゃんハウス 理事長
西村詠子

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